住化加工紙株式会社

剥離紙WIKI

Release Paper Wiki

剥離紙における寸法安定性とは、温湿度変化や加工時の張力などの影響を受けても、紙の寸法や形状ができるだけ変化しにくい性質をいう。剥離紙は紙を基材としているため、吸湿・放湿によって伸縮しやすく、その変化が小さいほど寸法安定性が高いといえる。

■ 寸法安定性とは何か

紙は周囲の湿度に応じて水分を吸収・放出する材料であり、その結果として膨張・収縮を生じる。剥離紙でも、こうした変化によって長さや幅のずれ、カール、波打ちなどが起こることがある。寸法安定性とは、これらの変化がどの程度起こりにくいかを示す重要な特性である。

■ なぜ重要なのか

剥離紙は、例えば粘着テープ製造においては、粘着剤塗工 → 加熱 → テープ基材貼合 → スリット → 巻取りなど、さまざまな工程を経て使用される。これらの工程では、剥離紙が所定の寸法を維持し、安定して搬送されることが求められる。

寸法変化が大きいと、シワ、カール、貼り合わせ不良などの原因となる。特に、高速加工や精度を要する加工では、わずかな伸縮でも品質や歩留まりに影響しやすいため、寸法安定性は剥離紙にとって非常に重要である。

■ 何が寸法安定性に影響するのか

寸法安定性には、原紙の性質、含水率、表面処理、塗工構成などが影響する。中でも原紙の影響は大きく、叩解が進みすぎていないこと、およびパルプ繊維の縦横の配向度の差が小さいことは、寸法安定性の面で有利に働く。

紙は抄紙工程の影響で、繊維が流れ方向に配向しやすい。この縦横の配向差が大きいほど、湿度変化時の伸縮差も大きくなりやすく、見当ずれやカールの原因となる。そのため、繊維配向の異方性を小さく抑えることが重要である。

また、剥離紙は吸湿・放湿によって寸法変化を起こすため、水分の出入りをどの程度抑えられるかも重要となる。紙種や表面構成によっては、こうした影響を低減できる場合がある。

■ 片面剥離紙における加工時の工夫

紙面が直接外気と接する片面剥離紙では、水分バランスの管理が特に重要となる。剥離紙製造時、剥離剤を塗工後、剥離剤に含まれる有機溶剤の揮発除去および剥離剤の架橋反応を進めるためオーブンで加熱する必要があるが、加熱により原紙中の水分量は低下してしまう。このままでは寸法変化やカールの原因となるため、加工後に加湿装置を用いて、適正な水分量に戻すことが行われる。

このように、片面剥離紙では、剥離剤を塗るだけでなく、乾燥後の含水率を適正に整えることも、寸法安定性を確保するうえで重要な加工条件の一つである。

なお、片面剥離紙使用の際、高湿下で使用するとカールすることがあるため、背面に吸湿層を設けた背面ラミ付き片面剥離紙に変更する選択肢もある。

■ 寸法安定性が重要となる場面

寸法安定性は、印刷見当の安定、抜き加工時の位置精度、ラミネート時の貼り合わせ、スリット後の巻姿など、多くの場面に関係する。剥離紙は最終製品を支える台紙として用いられることが多いため、寸法安定性が不足すると、剥離紙自体の問題というより、最終製品側の不良として現れやすい。

■ まとめ

剥離紙における寸法安定性とは、温湿度変化や加工条件の影響に対して、紙の寸法や形状が変わりにくい性質をいう。紙は吸湿・放湿によって伸縮する材料であるため、寸法安定性は剥離紙の基本特性の一つである。

寸法安定性が高い剥離紙は、剥離紙使用段階で安定した加工性を示し、不良の発生を抑えやすい。一方で、寸法安定性が不足すると、見当ずれ、カール、シワ、貼り合わせ不良などにつながりやすい。

そのため、剥離紙を考える際には、剥離力や表面性だけでなく、原紙設計、水分管理、加工条件まで含めて、寸法安定性を総合的に捉えることが重要である。

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