住化加工紙株式会社

剥離紙WIKI

Release Paper Wiki

ポリエチレンの押出ラミネート

2025.7.5 更新

カテゴリー 用途やさしいせつめい分析・測定その他設備剥離剤ポリエチレン原料剥離紙

■ 押出ラミネート加工に及ぼすPEの影響因子

◆ 高速加工(ドローダウン)性

  •  PE: MFRが大きい SRが小さい(オートクレーブ法LDよりもチューブラー法LDが有利)
  •  加工条件: 加工温度が高い エアギャップが大きい

→ 端部PE厚みが大きく(耳高)なる(良ネックイン性とはトレードオフの関係)

◆ 良(小)ネックイン

  •  PE: MFRが小さい SRが大きい(チューブラー法LDよりもオートクレーブ法LDが有利)
  •  加工条件: 加工速度が速い エアギャップが小さい

→ 高速加工性が劣る(高速加工性とはトレードオフの関係)

◆ 低発煙性

  •  PE:  低分子量成分が少ない(チューブラー法LDよりもオートクレーブLD法が有利)
  •  加工条件: 加工温度が低い → 基材との密着性が劣る

◆ 基材(原紙)とPEの密着性

  •  PE: MFRが大きい SRが小さい(オートクレーブ法LDよりもチューブラーLD法が有利)

※ 溶融粘度が低い方が基材へのアンカー効果大

  •  加工条件: 加工温度が高い エアギャップが大きい

※ 溶融粘度が低い方が基材へのアンカー効果大

加工温度が高い・表面酸化度が高い方が接合界面での化学結合力大

◆ 耐熱性・物質透過(透湿)性

  •  PE: 密度が高い(HDブレンド) → 基材との密着性が劣る
  •  加工条件: 冷却ロール温度を上げる(徐冷による結晶成長) → 冷却ロールとられ ※効果は小さい

■ 加工条件と影響因子

◆ 加工温度

表面酸化度 溶融粘度(高速加工性) 基材(原紙)とPEの密着性(溶融粘度低下と表面酸化度) 過熱時ピンホール

◆ 加工速度

基材(原紙)とPEの密着性(ニップ時間)

◆ 偏肉(厚み不良)

巻状態異常(テレスコープ・ゲージバンド)

◆ 表面活性化処理

基材(原紙)とPEの密着性

◆ ウェブクリーナー

異物混入 PE発泡

◆ 冷却ロール粗度

PE表面平滑性コントロール

◆ 冷却ロール温度

高温時のロールとられ

高温・多湿時期の表面結露

◆ 圧胴ロール硬度・ニップ圧力

基材(原紙)とPEの密着性

斜めジワ(ウロコ)発生

◆ エアギャップ

基材(原紙)とPEの密着性(表面酸化度)

◆ ディッケル・ロッドピン

ネックイン調整・PE端部厚みコントロール

■ 原紙(基材)とポリエチレンの密着メカニズム(密着強度を決める因子)

◆ 物理的要因(基材への食い込み(アンカー効果))

- 溶融粘度を下げる

MFRの高いPEを使用する

加工温度を上げる

- 基材の表面粗度を粗くする

表面粗度の粗い基材を使用する

基材(原紙)に表面処理する(コロナ処理・プラズマ処理等)

- 伸長粘度のひずみ硬化度を下げる

ひずみ硬化度の低い(=分岐・超高分子量成分が少ない)PEを使用する

※ 一般的に、チューブラ法LDの方がオートクレーブ法LDよりも、ひずみ硬化度が低い

Fig. 物理的接着(密着)強度発現機構

◆ 化学的要因(接合界面の化学結合力)

- PE溶融膜の表面酸化度を上げる(極性基の付与)

極性基を持った樹脂の少量添加

エアーギャップを大きくする(空気との接触時間を長くする)

基材と接する側の溶融膜をオゾン処理する(強制的に酸化を進める)

加工温度を下げる/加工温度を上げる

- 基材の表面活性を上げる

基材(原紙)に表面処理する(コロナ処理・フレーム処理・プラズマ処理等)

- 結合を完結させる

必要十分なエージングを施す

- AC剤の最適化(フィルム基材)

基材と溶融PEの組み合わせに最適なAC剤を利用する

Fig. 化学的接着(密着)強度発現機構

◆ 強固な密着強度を得るには…

基材表面、溶融PE表面のいずれか一方だけ表面処理しても、密着強度向上は限定的である。両者ともに処理することで密着強度向上が望める。

いずれかを処理することによって、密着強度を向上させるための官能基が導入されるが、もう一方に結合する相手方の官能基がないと密着性は向上しない。

 

Fig. PEと基材の接着(密着)強度を強固にする方法(太いフックを数多く)

製品に関するお問い合わせ

製品に関するお問い合わせ

製品に関するお問い合わせは、メールまたはお電話にて受け付けております。お気軽にご相談ください。

03-6837-9052

事業部 東京営業グループ
電話受付は 平日 9:00~17:30
スミリースマスコット