住化加工紙株式会社

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■ 主要物性

◆ 密度 (d)

高圧法低密度ポリエチレン (PE) の密度は 910~938 kg/m3 であるが、市販されているグレードは 916~935 kg/m3 程度である。直鎖状低密度 PE の密度範囲は、高圧法 PE よりも広い。

905 kg/m3 以下の超低密度ポリエチレン (VLDPE/ULDPE) も、呼び名は異なるものの LLDPE と同様の製法で製造されている(コモノマー含量を多くすることで密度を下げている)。JIS K-69220-1:2018 では、低密度 PE は 911~925 kg/m3、中密度 PE は 925~940 kg/m3、高密度 PE は 940 kg/m3 以上と定義されている。

密度は製品の剛性、靭性、透明性、物質の透過性などに影響する。密度が低いほど柔軟になり、衝撃強度が強く、熱シール可能な温度が低くなり、透明性が向上する。一方、密度が高いほど剛性が高くなり、物質が透過しにくくなりバリア性が向上する。

◆ 分子量とメルトマスフローレート (MFR)

分子量は、加工時の流動性や製品の強度、耐久性などに影響する。分子量の指標としてメルトマスフローレート (MFR) (メルトインデックス (MI)とも) が用いられる。

ポリエチレンの場合、メルトインデクサを用い、190℃で 2.16 kg (21.6 N) の荷重で 10 分間に内径 2.095 mm × 長さ 8.000 mm のオリフィスから押し出される樹脂の質量 (g) である。

したがって、高 MFR になるほど分子量が低く、低 MFR になるほど分子量が高い。MFR が 1 のポリエチレンの平均分子量は約 15 万である。

◆ スウェルレシオ (SR)

高圧法 LD の場合、結晶化度 (密度) と分子量 (MFR) に加えて、溶融弾性が重要な物性となる。溶融弾性は分子の分岐の程度を示す尺度であり、その代表物性値にスウェルレシオ (SR) を用いる。SR は、MFR 測定時のストランドの直径をダイの内径で割った値である。

HD や LL ではほとんど分岐がなく、SR の値が物性に影響することはほとんどないが、高圧法 LD の分岐度はさまざまであり、加工性および製品物性の両方に大きく影響する。

高圧法 LD の SR 値は 1.4~1.8 程度である。SR 値が大きいほど、Tダイによるフィルム製膜時のネックインが小さくなるが、フィルムの透明性は低下する。

Fig. メルトインデクサ―(MFR測定機)

 

Fig. PEの分子量・分子構造とMFRとSRのイメージ

Fig. PEの代表特性値

Fig. LDPEとHDPEの構造的比較

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