◆ 剥離紙ってなに?
剥離紙(はくりし)は、テープやシールの“うらがわ”にくっついている紙のことです。英語では「リリースペーパー」や「リリースライナー」ともよばれています。テープやシールがくっつかないように、特別な加工(かこう)がされています。
この紙は、使うときまでシールがよごれたり、くっついてしまったりしないように守ってくれる大切な役目をもっています。
■ よびかたはいろいろ
剥離紙は、ほかにも「剥がし紙(はがしがみ)」や「裏紙(うらがみ)」、「台紙(だいし)」などとよばれることもあります。
また、紙ではなくフィルムを使っている場合は「剥離フィルム」や「離形(りけい)フィルム」といいます。これらをまとめて「セパレータ」と呼ぶこともあります。
◆ 剥離紙のつくりかた
剥離紙は、3つの部分からできています。
1. 原紙(げんし):ふつうの紙のこと。これが土台になります。
2. 目止め(めどめ)そう:うすいプラスチックの膜(まく)で、紙にしみこむのをふせぎます。
3. 剥離剤(はくりざい):テープがくっつかないようにするための特別なコーティングです。
■ 原紙(げんし)って?
原紙には、いろんな種類の紙が使われます。たとえば:
-クラフト紙(紙袋などに使われる茶色っぽい紙)
-グラシン紙(つるつるしてうすい紙)
紙の重さはだいたい 50~120g/m²くらいです。
■ 目止めそうって?
紙にしみこまないようにするために、うすいプラスチックの層(そう)をはさみます。このプラスチックには「ポリエチレン(PE)」というものがよく使われます。とても薄くて、たった0.02ミリくらいしかありません。
■ 剥離剤って?
剥離剤(はくりざい)は、テープがペタッとくっつかないようにするための特別な成分です。よく使われるのは「シリコーン」というもので、手ざわりがすべすべになります。
でも、ある特別な用途(電子部品など)ではシリコーンを使わず、別の材料を使うこともあります。
◆ いろいろな剥離紙の種類
剥離紙には、いくつかのタイプがあります。お客さんの希望に合わせてつくります。
1. かためん剥離紙(SLタイプ)
片面だけに剥離剤がついているタイプ。反対の面はふつうの紙なので、水気があると反ったりカールしたりしやすくなります。
2. うらにラミネートがあるかためん剥離紙(SLKタイプ)
片面はふつうの剥離紙、もう片面にはプラスチックがくっついていて、カールしにくくした高級タイプです。車のシールや壁紙など、しっかりした用途に使われます。
3. りょうめん剥離紙(SLBタイプ)
両面に剥離剤がついているタイプです。両面テープに使われます。両方の面でテープのはがれ方がちがうように、工夫して作られています。
ほかにもいろいろ
-コート紙を使ったもの(SLCタイプ)
-アルミ箔を使ったもの(SLAタイプ)
-特別なこうせいのもの(SLDタイプ)
◆さいごに
剥離紙は、テープやシールをしっかり守る大事な紙です。目には見えにくいけれど、私たちのくらしのいろいろなところで活やくしています。