
剥離紙(Release Liner)とは?
剥離紙とは、粘着性や接着性のシートやテープの粘・接着面の保護に用いられる紙のことです。紙の表面に剥離処理を施したものとなります。
身近には、各種両面テープやステッカーの粘着面の保護、ばんそうこうや貼り薬の薬剤面の保護などに用いられています。
当社の剥離紙は、多くの粘・接着製品のニーズにお応えできるよう、高性能・高品質、かつ広範囲の仕様に対応可能な製品群です。
常に皆さまのお役に立つ製品を提供できるよう、心がけております。
※ 剥離紙は、離型紙、剥離ライナー、リリースペーパーとも言われます。

剥離紙は、剥離剤層/目止層/基材層の積層体です。
-
剥離剤層(シリコーンなど)
シリコーン樹脂が多く用いられる
用途により非シリコーン系剥離剤も用いられる -
目止層(PE)
ポリエチレン(PE)が多く用いられる
(剥離剤の紙への浸透防止) -
基材層(原紙)
上質紙、クラフト紙、グラシン紙など
剥離剤は液体のため、紙に直接塗布すると紙の中に剥離剤が浸み込んでしまうため、十分に剥離性能を発揮できません。
そこで、紙のパルプ繊維の目を封止し、剥離剤を浸み込ませないようにポリエチレンの目止層を間に設けています。
剥離剤としては、主としてシリコーン樹脂が用いられますが、一部ケイ素を嫌う電子材用途には非シリコーン系剥離剤が用いられます。

暮らしのさまざまなところで活用される
剥離紙をつくっています。
- 自動車
- スマートフォン
- ばんそうこう・貼り薬
- 壁紙
- マーキングフィルム
- 建築材料
- 文具・雑貨
- フレキシブル基板
- など
-
SL type
片面剥離紙
-
SLK type
背面ラミ付片面剥離紙
-
SLB type
両面剥離紙
片面剥離紙

-
構成
シリコーン/ポリエチレン/原紙
-
原紙の色
白、クリーム、青、茶、薄茶
-
原紙の坪量
50g/㎡~120g/㎡
-
剥離紙の厚さ
75μm~285μm
-
剥離紙の坪量
65g/㎡~160g/㎡
-
主な用途
工程紙、粘着テープ、ラベル
-
特長
- 高品質
- 軽剥離
- 微移行性
- 耐暴露性
- 製品例
- 片面剥離紙 SL-70SU2
- 構成
- シリコーン/PE/半晒クラフト紙(70g/㎡)
代表特性
項目 | 測定値 | 試験方法 |
---|---|---|
総厚さ (μm) |
110 | JIS P-8118 |
坪量 (g/㎡) |
90 | JIS P-8124 |
引張強度 (kN/m) |
MD 4.5 CD 2.5 |
JIS P-8113 |
引裂強度 (mN) |
MD 650 CD 750 |
JIS P-8116 |
剥離強度 (N/m) |
8 | ※1 |
残留接着率 (%) |
90 | ※2 |
※1
粘着剤:オリバインBPS-8170
上紙:上質系78g/㎡
剥離速度:5m/min
剥離角度:180°(テープ剥離)
※2
標準テープ:日東31B
標準板:ステンレス板(#280)
剥離速度:0.3m/min
剥離角度:180°
これらの数値は代表値であり、規格値ではありません。
また、剥離荷重、残留接着率については測定条件によって大きく変わりますので、御使用の前に、貴社条件にて品質を御確認下さい。
背面ラミ付き片面剥離紙

-
構成
シリコーン/ポリエチレン/原紙/ポリエチレン
-
原紙の色
白、クリーム、青、茶、薄茶
-
原紙の坪量
50g/㎡~120g/㎡
-
剥離紙の厚さ
90μm~220μm
-
剥離紙の坪量
75g/㎡~180g/㎡
-
主な用途
マーキングシート、ラベル、壁紙
-
特長
- カール性良好
- 軽〜中剥離
- 非移行性
- 耐暴露性
- 製品例
- 背面ラミ付き片面剥離紙 SLK-70AW
- 構成
- シリコーン/PE/上質紙(70g/㎡)/PE
代表特性
項目 | 測定値 | 試験方法 |
---|---|---|
総厚さ (μm) |
110 | JIS P-8118 |
坪量 (g/㎡) |
105 | JIS P-8124 |
引張強度 (kN/m) |
MD 6.5 CD 4.5 |
JIS P-8113 |
引裂強度 (mN) |
MD 500 CD 500 |
JIS P-8116 |
剥離強度 (N/m) |
15 | ※1 |
残留接着率 (%) |
98 | ※2 |
※1
粘着剤:オリバインBPS-8170
上紙:上質系78g/㎡
剥離速度:5m/min
剥離角度:180°(テープ剥離)
※2
標準テープ:日東31B
標準板:ステンレス板(#280)
剥離速度:0.3m/min
剥離角度:180°
これらの数値は代表値であり、規格値ではありません。
また、剥離荷重、残留接着率については測定条件によって大きく変わりますので、御使用の前に、貴社条件にて品質を御確認下さい。
SLKタイプの良カール性
片面剥離紙(SL-type)は、片面が紙であり、紙は空気中の水分(湿気)を吸収すると伸びる性質があるため、カールしやすい傾向にあります。
そのカールしやすい性質を改善するため、ポリエチレンを防湿層としてラミネートしたものが背面ラミ付き片面剥離紙(SLK-Type)です。
背面ラミ付き片面剥離紙は、良カール性が特に要望される壁紙やマーキングシート用途に使われています。

両面剥離紙

-
構成
シリコーン/ポリエチレン/原紙/ポリエチレン/シリコーン
-
原紙の色
白、クリーム、青、茶、薄茶
-
原紙の坪量
50g/㎡~120g/㎡
-
剥離紙の厚さ
90μm~220μm
-
剥離紙の坪量
75g/㎡~180g/㎡
-
主な用途
各種両面テープ
-
特長
- 低〜高速まで安定した異差剥離
- 剥離強度の経時変化が少ない
- 非移行性
- 製品例
- 両面剥離紙 SLB-80WD(#1300)
- 構成
- シリコーン/PE/上質紙(78g/㎡)/PE/シリコーン
代表特性
項目 | 測定値 | 試験方法 |
---|---|---|
総厚さ (μm) |
125 | JIS P-8118 |
坪量 (g/㎡) |
115 | JIS P-8124 |
引張強度 (kN/m) |
MD 9.0 CD 6.0 |
JIS P-8113 |
引裂強度 (mN) |
MD 550 CD 550 |
JIS P-8116 |
剥離強度 (N/m) |
内面 52 外面 25 |
※1 |
残留接着率 (%) |
内面 98 外面 98 |
※2 |
※1
粘着剤:オリバインBPS-8170
上紙:上質系78g/㎡
剥離速度:5m/min
剥離角度:180°(テープ剥離)
※2
標準テープ:日東31B
標準板:ステンレス板(#280)
剥離速度:0.3m/min
剥離角度:180°
これらの数値は代表値であり、規格値ではありません。
また、剥離荷重、残留接着率については測定条件によって大きく変わりますので、御使用の前に、貴社条件にて品質を御確認下さい。
SLBタイプの異差剥離
シリコーン剥離紙の場合、剥離速度が大きいほど一般的に剥離荷重が大きくなる傾向にあります。しかし、剥離剤や粘着剤との組み合わせによって、速度依存性が異なるため、剥離速度で重剥離面と軽剥離面が逆転することがあり、”泣き別れ”不具合が発生する恐れがあります(左図の剥離剤AおよびBの場合)。
そこで、当社において両面剥離剤を設計・開発する段階で、お客さまで使用される粘着剤に合わせて、適切な剥離剤を選定し、想定される剥離速度範囲で剥離荷重が逆転せず常に剥離差(=異差剥離)があるように設計しています(右図)。


当社剥離紙について
当社の剥離紙に用いる原料において、剥離剤および基材(原紙)の種類が豊富で、またPEの面調(マット/セミマット/ミラー)との組み合わせで、さまざまな製品の提供が可能です。
SLタイプ 片面剥離紙 |
SLKタイプ 背面ラミ付片面剥離紙 |
SLBタイプ 両面剥離紙 |
|
---|---|---|---|
構成 |
剥離剤層(シリコーンなど) 目止層(PE) 基材層(原紙) |
剥離剤層(シリコーンなど) 目止層(PE) 基材層(原紙) 防湿層(PE) |
剥離剤層(シリコーンなど) 目止層(PE) 基材層(原紙) 目止層(PE) 剥離剤層(シリコーンなど) |
特長 |
軽剥離 微移行性 耐暴露性 |
カール性良好 軽~中剥離 非移行性 耐暴露性 |
低~高速まで安定した異差剥離 剥離強度の経時変化が少ない 非移行性 |
用途例 |
クラフトテープ 工程紙 ラベル シール材 |
マーキングシート 壁紙 |
各種両面テープ |
剥離紙製造工程


製品お届けの流れ



軽剥離から重剥離、原紙の種類など多様な要求品質にお応えします。
また、小ロット・短納期での供給が可能です。
受注単位は別途ご相談させて頂きます。
基材として使用する原紙はクラフト紙、クルパック紙、クレープ紙、グラシン紙など、用途に応じて選択可能です(その他基材についても応相談)。
また、原紙の色調は白、青、クリーム、茶、薄茶などを取りそろえています。